2011.03.10 「自転車イベント」、いくらでできるか?
インバウンド施策や町おこしの一環として自転車イベントを開催したい、という要望を受けて、よく聞かれるのが「運営経費はいったいいくらかかるのか?」ということ。
道路封鎖の問題と同じように、皆さんの関心が高い疑問点のようです。
一口に自転車イベントと言っても様々なので、ここでは「市民サイクリング」や「市民ロードレース」に代表される、一般市民参加型の自転車イベントを例にとりたいと思います。
※自転車イベントの種類についてはコチラをご参照ください。
イベントの規模や開催条件、参加人数、またクオリティや付加価値などによって当然開催に必要な経費は大きく変わります。従って予算計画を作る場合にはある程度詳細な条件のヒアリングが必要ですが、「それでも、取りあえず大体の目安でいいから教えてほしい」との質問があった時には、次のように答えています。
【参加者数当たり10,000円程度の運営経費を見ておけば、まずまずのクオリティの自転車イベントが作れます。】
つまり参加者500人規模であれば500万円、2,000人規模であれば概ね2000万円程度の予算が組めれば、まずまずクオリティの高い自転車イベントが開催できると考えていただいて差支えないと思います。
この金額を聞いて、どのように感じますか?
「2,000人のインバウンドを獲得するのに2000万円かけるのは馬鹿げている。高すぎる。」と感じられた方も多いかもしれません。ただしこの計算には注意が必要です。
自転車に限らず「参加型スポーツイベント」の場合、当然イベントに参加していただくにあたって「参加料」というものが発生し、主催者側の運営経費に充当できるのですが、自転車イベントの場合はランニングなどに比べるとその金額割合が高く設定できる傾向にあります。
1000人規模以上のイベントの場合は、概ね参加料が6,000円〜7,000円程度のものが多く、中には10,000円というものも。
とすると、仮に2,000人の参加者が集まった場合には参加者収入だけで1200〜1400万円が生まれることになります。
またイベントの規模が大きくなればそれだけ注目度も高まりますので、スポンサー企業が獲得できる場合も多いでしょう。
こう考えていくと、「定員に達すると見込まれる程度の魅力的なイベント内容が実現できた場合、参加人数×3,000〜4,000円程度を、協賛金または自己資金として用意すればよい」ということが分かります。
つまり2,000人の参加者を獲得するのに、600万円程度の元手があればよいということ。実際には、初開催から数年で参加者が定着し、広報予算等を削減できたために、自己資金や協賛金ゼロで2,000人規模の開催が実現できているケースもあります。
もちろん、この計算はあくまでも概算に過ぎず、実際に自転車イベントを開催するに当たっては様々な個別具体的な要因を加味していく必要があります。上記の計算式よりも安くできるケースも多数ありますし、逆に大手広告代理店が間に入る場合等、予算規模がケタ違いということもあります。
※本当にケースバイケースなので一概に言えません!詳しくはご相談を!
なお参加料収入は、第1回開催の時点では「やってみなければ分からない」全くの水モノなので注意が必要です。それでも、コースの魅力や都市圏からのアクセスの良さ、開催時期などからある程度の予測は可能。参加料をあてにする運営となる以上、「集まりませんでした、赤字になりました」とはならないよう、集客を予測した上でのリスクヘッジ策も必須です。特に第1回開催時には、参加者数によって何種類かの収支シミュレーションを持ち、エントリー期間中に運営計画を微調整していくといったことも必要でしょう。
(昨今の自転車ブームに乗って開催したはよいものの、参加者が集まらず赤字になってしまった、という例も聞きます)
またここでも、開催する地域を挙げての「おもてなし」の姿勢が大事。
多くの市民ボランティアに運営スタッフとして協力してもらう、地元の特産物等を参加者に提供してよい思い出をお持ち帰ってもらう、等、経費を削減しつつ、参加者満足度を高める努力を行うことが、イベントの成功と継続発展、ひいては地域への経済波及効果につながっていきます。
さらに詳しくお聞きになりたい方は、「自転車イベント.COM」までお問合せを。